要介護の高齢者が、特別養護老人ホームなどに6、7日程度滞在するというのが介護保険の「ショートステイ」です。ショートスティの目的は、家族が介護から解放される時間をつくり、心身疲労や共倒れなどを防止することです。この「ショートスティ」の連続利用の限度は30日。
ところが、最近、この30日以内という限度を超えて「連続」で施設に預かってもらうという人が増え問題になっています。それが、「ロングショートスティ」です。

料金の安い特別養護老人ホーム(特養)には待機者が多く、入居するには時間がかかります。しかし、金銭的な余裕がないので空きのある施設には入れられない。そんな人たちが、ロングショートステイを継続して利用するケースがあるのです。特養に入所を希望している待機者は、平成26年3月の全国集計では、約52万3千人(内、九州は約5万3千人)。現在の入所中の人とほぼ同数。

介護保険制度上は、特養と介護老人保険施設(老健)、介護療養型医療施設(療養病床)だけが「介護施設」に位置づけられ、その他のケアハウスやグループホーム、サービス付き高齢者向け住宅、有料老人ホームは、「住宅」扱い。収入に応じた費用で入れる特養とは異なり、その他のほとんどが月々10万円を超える。収入が国民年金だけの人が認知症なとがあって自宅ですごすのが難しければ、宿泊費の安いお泊りディを利用するしかない。

「連続30日間を超えてはならない」と定められた特別養護老人ホームのショートステイで、2年間自宅に戻っていない女性(91歳)がいます。介護保険は利用制限があり、要介護2の人は、月に25日しかショートステイを利用できない。この為、毎月25日間はショートステイを利用し、残りの5~6日間は、福岡市が独自に設けた介護保険外の制度「あんしんショートステイ(1泊2,900円、年間限度60日)を利用しているという。福岡市のような独自制度がない自治体では、30日以内でショートステイを利用した後、数日間を自己負担することで、30日の連続利用を“リセット”することとなり、連続して利用することができるらしい。これは1ヶ月の30日をショートスティで施設に滞在し、31日目を実費で払う事で「リセット」して、32日目以降をまたショートスティ・・・と繰り返す方法です。

本来は、家族が介護疲れを癒やし、息切れせずに在宅介護を続けるための仕組みであり、望ましい利用法ではないが、禁止すると行き場を失う人が出かねない為、違反とまでは言えず市も黙認している状況。

残念ながら この問題は施設の数が増えれば解決できるか?と言えばそれほど単純ではないようです。